お腹と肩を動かすとリンパが流れる理由
こんにちは。愛知県名古屋市でリンパ浮腫ケアをしている「かなな治療院」です。
リンパ浮腫で指導されるセルフケア「腹式(ふくしき)呼吸」と「肩回し」が、なぜ体に良い変化をもたらすかをお伝えします。
普段何気なく行っている呼吸や肩回しが、実は体の中の「流れるプール」のフタを開け、リンパ液の「ゴールの出口」のつまりをスッキリ通す素晴らしい役割を持っていることが分かります。今日からのセルフケアが、もっとお出かけや毎日の生活を楽しくするお守りになりますよ。
なぜ「お腹の呼吸」と「肩回し」をすると、むくみがスッキリ軽くなるの?
結論からお伝えすると、お腹と肩(鎖骨のまわり)をしっかり動かすことは、体の中を流れるリンパ液の「大きなプール」と「ゴールの出口」のフタをパカッと開けて、全体の流れをスムーズにするために、とっても効果的だからです。
私たちの体の中には、いらなくなった水分やゴミを集めて運ぶ「リンパ管(かん)」という透明な細いくだが、全身にアミの目のように張り巡らされています。 このリンパ管の中を流れる「リンパ液」には、心臓のようにドクドクと自ら動くポンプがありません。その代わりに、「まわりの筋肉が動くこと」や「呼吸による体の中の気圧の変化」を使って、ゆっくり、ゆっくりと流れています。
実は、全身から集まったリンパ液が最後にたどり着くいちばん大きなプール(乳び槽:にゅうびそう)がお腹の中にあります。そして、そのリンパ液が最後に心臓(静脈)に戻る「最後のゴールの出口」が、鎖骨(さこつ=肩の下のほね)のところにあるのです。
そのため、この2つの場所を優しく動かしてあげることが、体全体のめぐりを良くするための最初の大切な一歩になります。
呼吸のときに、お腹だけでなく「胸のカゴ」まで意識すると良いのはどうして?
お腹だけでなく、肺を囲んでいるカゴのような骨(あばら骨のまわり=胸郭:きょうかく)もしっかり動かすことで、お腹のプールにたまっているリンパ液を、まるで注射器のように上のほうへ力強く吸い上げることができるからです。
「腹式呼吸」というと、お腹だけをふくらませたりへこませたりするイメージがあるかもしれません。しかし、本当に大切なのは胸郭全体を大きく動かすことです。
- お腹の中にある「大きなプール」を優しくマッサージする 息を深く吸ったり吐いたりすると、お腹と胸のあいだにある「横隔膜(おうかくまく)」という筋肉が上下に大きく動きます。これに合わせて胸のカゴが広がったり縮んだりします。
- 「注射器」みたいに下から吸い上げる 胸のカゴが大きく広がると、胸の中の圧力が下がります。これは、まるで注射器のピストンをスーッと引いたときと同じ状態です。この力によって、お腹のプールにたまっていたリンパ液が上のほうへ「ググッ」と力強く吸い上げられます。
お腹だけでなく胸のカゴ全体を動かすことで、この吸い上げる力が何倍も強くなり、足元から上がってきた水分がスムーズに上へと流れていくのです。
肩を回すときに、「肩甲骨」や「鎖骨」まで大きく動かしたほうがいい理由は?
手先だけを動かすのではなく、背中の「肩甲骨」や胸の上の「鎖骨」まで意識してぐるぐると大きく動かすことで、リンパ液の「最後のゴールの出口」の渋滞をなくし、流れをサラサラにできるからです。
痛みのない範囲で、ぜひ大きく動かしてみてください。これには理由があります。
- 「最後のゴール(出口)」のつまりを通す 足やお腹、腕から長い旅をしてきたすべてのリンパ液が、最後に血液(静脈)に合流する「いちばんのゴール(終着点)」は、実は鎖骨のすぐ下にあります。
- まわりの渋滞をなくしてフタを開ける もし肩まわりの筋肉がカチカチに固まっていると、この大切なゴールの出口がギューッとつぶされてしまい、リンパ液の大渋滞が起きてしまいます。肩甲骨や鎖骨を意識して大きく動かすと、ゴールのまわりの筋肉が柔らかくほぐされて、出口のフタが大きく開きます。
出口がしっかりと開くことで、下から流れてきたリンパ液がサラサラと気持ちよく流れ込んでいけるようになります。
毎日のセルフケアがもっと安心になるQ&A
Q. 肩を回すときに、少しパキパキ音が鳴ったり、重い感じがしたりしても続けて大丈夫ですか?
A. 痛みがないようでしたら、そのままゆっくり続けていただいて大丈夫です。もし「痛いな」と感じるときや、動かすのがつらいときは、決して無理をしないでくださいね。手を肩にちょんと添えて肘で円を描くようにするか、それも難しければ、息を吸いながら肩をギューッと耳に近づけて、吐きながら「ストン」と脱力するだけでも、鎖骨まわりのフタを開ける十分なケアになります。
Q. 腹式呼吸は、1日に何回くらい、いつ行うのが効果的ですか?
A. 決まった回数はありませんが、朝起きたときや、お風呂上がり、寝る前など、ご自身がリラックスできるタイミングで5回〜10回ほどゆっくり行うのがおすすめです。「回数をこなさなきゃ」と頑張りすぎてしまうと、体が緊張して逆効果になってしまうこともあります。「今日も1日お疲れ様」と、ご自身の体に声をかけるように、心地よいと感じるペースで優しく行ってみてくださいね。
むすび:2つのステップをセットにして、心地よい毎日を
今回ご紹介したセルフケアのポイントをもう一度振り返ってみましょう。
- 腹式呼吸(お腹と胸のカゴを動かす) = 下からリンパ液をしっかり押し上げて・吸い上げる!
- 肩回し(鎖骨と肩甲骨を動かす) = 一番大切な「ゴールの出口」を広げて、流れやすくする!
この2つをセットで行うことで、体の中のリンパ液の流れがとても良くなり、毎日のむくみをスッキリさせるお手伝いができます。
身近なむくみのご相談や、日々のセルフケアのヒントに、「かなな治療院」では、日常の小さなむくみのお悩みや、生活の中でできる優しいケアのご相談をいつでもお受けしています。ちょっとした疑問や不安がありましたら、どうぞお気軽にメッセージを送ってくださいね。誠実にお返事いたします。
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