リンパ浮腫があっても快適に。秋冬の服と着衣のチェックリスト
こんにちは。愛知県名古屋市でリンパ浮腫ケアをしているかなな治療院の西村佳奈です。
朝晩の空気がひんやりしてきて、そろそろ衣替えを考える頃になりました。クローゼットの奥から秋冬の服を出していると、「去年はこのニット、どうだったかな」と思い出すこともありますよね。
実は、リンパ浮腫のある方にとって、衣替えはただの季節の片づけではありません。毎日身につける服や弾性着衣、そして自分のからだの状態を、ゆっくり見直すちょうどよい機会でもあります。今日は、施術の中で患者さんとよくお話しすることをもとに、衣替えの時期に気をつけたいことをお伝えします。

秋冬の服で、むくんだ腕や脚が締めつけられていませんか?
秋冬の服には、袖口や裾にゴムが入ったものが多くあります。リブの袖口、靴下の口ゴム、タイツのウエスト、厚手の下着のラインなどです。
リンパ浮腫のある腕や脚では、こうした部分的な締めつけがリンパ液の流れを妨げ、その先にむくみがたまりやすくなります。弾性着衣のように「全体を均一に、先から少しずつ弱く」圧をかけるものとは違い、一か所だけ強く締めるゴムは、いわば流れの途中に小さな関所をつくってしまうのです。
服を出したら、一度着てみて、脱いだあとに肌を見てみてください。くっきりとした跡や赤みが残っていたら、その服は少しきついサインです。袖口のゴムを緩める、袖をまくらずにすむ長さのものを選ぶなど、小さな工夫で負担は減らせます。
弾性着衣の上に着る服は、どう選べばいいですか?
弾性スリーブやストッキングの上に着る服は、「ゆとり」と「着脱のしやすさ」を大切にしてみてください。
- 腕のむくみがある方は、袖ぐりや袖幅にゆとりのある服、前開きのカーディガンやシャツが着替えやすいです
- 脚のむくみがある方は、ウエストや太もも周りが締めつけないパンツ、伸びのよい素材がおすすめです
- ブーツは履き口が狭いと足首を締めつけやすいので、ファスナーで開け閉めできるものが安心です
冬はタイツやレギンスを弾性ストッキングに重ねたくなりますが、重ねたものが締めつけすぎていないかも確認しましょう。迷ったときは、普段の服を持ってきていただければ一緒に考えることもできます。
乾燥の季節、肌を守ることがなぜ大切なのですか?
秋から冬にかけては空気が乾燥し、肌もかさつきやすくなります。リンパ浮腫のある部分は、小さな傷から細菌が入ると、蜂窩織炎(ほうかしきえん)という赤く腫れて熱をもつ炎症を起こしやすいことが知られています。
ウールのチクチクで思わずかいてしまう、乾燥でできたひび割れ、こうした小さなことがきっかけになることもあります。肌に直接ふれる服は綿などのやわらかい素材を選び、お風呂上がりや弾性着衣を脱いだあとには保湿を習慣にしてみてください。
また、こたつや電気毛布、カイロを使う季節でもあります。むくみのある部分は感覚が鈍くなっていることがあり、気づかないうちに低温やけどをすることもあります。直接長く当てないよう、少し気にかけてみてください。
弾性着衣も「衣替え」が必要ですか?
はい、ぜひ一緒に見直していただきたいところです。
弾性着衣は毎日の着用と洗濯で少しずつ伸び、圧が弱くなっていきます。一般的には半年ほどが買い替えの目安とされています。また、夏から秋にかけて体重やむくみの状態が変わっていれば、サイズが合わなくなっていることもあります。
衣替えのついでに、次のことを確かめてみてください。
- 生地が薄くなったり、毛玉や伸びが目立っていないか
- 着たときにずり落ちたり、逆に食い込んだりしていないか
- 前回の購入から半年ほど経っていないか
弾性着衣は条件を満たせば、半年に1回・1回2着まで療養費の申請ができます。買い替えの時期が近い方は、医師への相談のタイミングも含めて確認しておくと安心です。
衣替えの作業そのものも、からだへの負担になりますか?
衣装ケースの出し入れや、高い棚への収納は、思っている以上に腕や肩を使います。
動くことそのものはむくみの方にとっても大切で、怖がりすぎる必要はありません。ただ、一日で全部終わらせようと、むくみのある腕で重いものを何度も持ち上げると、あとでだるさや張りが出ることがあります。
- 一度に運ぶ量を少なくし、何回かに分ける
- できれば弾性着衣を着けたまま作業する
- 一区切りごとに休憩し、腕や脚の様子を確かめる
「今日はここまで」と決めて、数日かけて進めるくらいがちょうどよいと思います。
おわりに
衣替えは、季節に合わせて暮らしを整える、昔からの知恵です。服を入れ替えながら、「この服はからだにやさしいかな」「着衣はまだ大丈夫かな」と、自分のからだにも目を向けてみてください。
完璧に整えなくても大丈夫です。気になった一着を見直すだけでも、冬のむくみとのつきあい方は少し楽になります。
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